事例9

事例9

自己資金ゼロで借金整理
Mさん(70歳、年金暮らし)

70歳、年金暮らしのMさんが、弁護士会のクレジットサラ金法律相談センターに相談に行ったのは平成14年4月頃のことでした。住宅ローンの返済と、長年に渡って支払い続けてきたサラ金への支払に追われ、経済的な苦境に陥っていたMさんは、当初、日本クレジットカウンセリング協会へと相談に行ったのですが、「負債総額が多額にのぼることから個人再生手続による解決が望ましいのでは」との助言を受け、法律相談センターを紹介されたのでした。

弁護士に相談したところ、サラ金との取引が相当長期に及んでいることから、サラ金各社との一連の取引経過を利息制限法所定の利率(元本10万円以上100万未満の取引につき年率18%、100万円以上の取引につき年率15%)で引き直して計算すると、「過払い」が発生している可能性があり、個人再生手続をすべきか否かはサラ金に合計でいくら支払う必要があるかを調査してから決定することが望ましいとの説明を受けました。Mさんは、相談した弁護士に、個人再生を視野に入れた債務整理を依頼することにしました。

弁護士に依頼するまでの間に、Mさんと取引を継続していたサラ金業者は、合計14社。当時、サラ金各社から請求されていた残元金は合計で1000万円を超えるものであったことから、Mさんは「少しでも楽になればよい」と考えていたそうです。

その後、依頼した弁護士がサラ金各社と交渉を重ね、Mさんと各社との取引経過の調査を進めるにつれ、驚くべき事実が次々と明らかになっていきました。
まず、サラ金14社のうち、法的にMさんが支払義務を負っているのは多くとも7社であり、支払義務のある金額は、どれだけ高く見積もったとしても400万円を超えることはないということが明らかとなりました。
また、残りの7社については、中には20年以上にわたって取引を継続していた業者もあり、既に一定額の「過払い」が生じていることは確実であることが明らかとなりました。ただ、これらの業者が初回取引からの取引履歴を開示しない可能性があり、その場合には訴訟を起こして正確な取引履歴を開示させる必要があるということも弁護士から説明を受けました。 相談当初、弁護士から指摘されたとおり、サラ金各社に正確な取引履歴を開示させた上、過払い金を取り戻すことができれば、個人再生手続を経ずとも任意整理をすることができる可能性が出てきたのです。Mさんは、場合によってはサラ金各社を相手に訴訟を起こすことを弁護士に任せたいと考えるようになりました。

調査が進むにつれ、Mさんの経済的負担も目に見える形で軽減されていきました。
依頼した当初、Mさんは個人再生を視野に入れた上で返済資金の積み立てをするよう弁護士に指示を受けており、毎月15万円を弁護士の預り金口座に振り込むことになっていました。
約束の金額を3回ほど振り込んだ時点で、支払いのことで迷惑をかけていないか心配になったMさんは、弁護士の事務所を訪問しました。ところが、応対した事務員から「既にM社から50万円程度の過払い金の返還を受けました。また、正確なところはまだ調査中ですが、支払額は大幅に減ることが予想されるので、月々の入金は5万円でいいです」との説明を受けたのです。 Mさんは、「そんなにうまい話があるのだろうか」と半信半疑ながらも、金額を月々5万円ずつに減らして振り込みを続けていました。
1年半程振り込みを続けた時点で、またまた心配になったMさんは、再度、弁護士の事務所を訪問しました。すると、今度は、「今お預かりしているお金で十分足ります。過払い金返還の状況によっては、これまでお預かりした分をお返しできるかもしれません。ですから、これ以上の入金は必要ありません」との説明を受けたのです。
Mさんが事務所を訪れる度に、状況は良くなっていったわけですが、Mさんは、「いくらなんでもそんなことはないだろう」と思い、その後もお金に余裕がある時は、3万円の振込を続けていました。もっとも、お金に余裕があるときに限ってのことですから、この時点でも経済的負担はかなり軽減されていました。

他方で、Mさんを原告、取引履歴を開示しないサラ金6社(T社、R社、W社、E社、J社、O社)を被告とする訴訟の準備も進められました。ただ、Mさんの記憶を基に、サラ金各社が開示しない過去取引を推測して算出された推定過払い金の総額は2000万円を超える額となっていたことから、「いくらなんでもそこまでは」ということで、未開示取引をどのように再現するかが難航していたのです。

このような経緯を経て、平成17年8月、Mさんを原告、取引履歴の開示を拒否していたサラ金6社を被告とする不当利得(過払い金)返還請求訴訟が、東京地裁に提起されました。この訴訟はすこぶる順調に進行しています。 まず、L社との間で過払金約340万円の返還を内容とする和解が成立し、次いで、T社との間でも、過払金約590万円の返還を内容とする和解が成立しました。L社・T社との和解は、取引履歴を全て開示した上でなされたものであり、その初回時期は昭和50年代で、Mさんの記憶とほぼ一致するものでした。
また、経営不振に陥っているW社は、人手がなくて取引履歴の開示はできないが過払金の存在と支払義務は認めるから何とか和解してほしいと泣きついてきました。結局、W社とは過払金480万円の分割返還を内容とする和解を交わしました。 E社に至っては、訴訟の第一回期日を欠席したことから、過払金約100万円の返還を命ずる判決が下され、この判決の内容通りの返還が実現しました。
J社とO社については、現在も訴訟係属中ですが、既に和解に向けた話し合いが行われており、2社合計で、過払金約200万円程度の返還を受ける見込みとなっています。
このように、訴訟を提起した結果、Mさんには、少なく見積もっても1600万円以上の過払金が返還される見込みとなりました。

大逆転劇

Mさんは過去に不当に支払ったお金を取り戻すことで、経済的な負担を強いられることなく、借金の整理をすることが可能となったのです。支払義務のある借金を全て支払い、弁護士に弁護士会所定の報酬を支払った後に、Mさんには、過去の積み立て分も含め数百万円のお金が返ってくる計算です。
負債総額1000万円以上の多重債務者から一転して、Mさんは見事老後の安定を勝ち取ることができました。このような大逆転劇が可能となったのも、全ては弁護士会のクレジット・サラ金法律相談センターを訪れたことが始まりであり、感謝の念に絶えないとMさんは述べています。


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